供給先(派遣先)への直接雇用
民事的には、違法派遣の場合、派遣先に直接雇用されるつう方向で解決するのが、労働者保護と使用者責任を明確にする点から重要だぜ。
けどよ、実際にはなかなか直接雇用にまで至らねぇつう問題が残っていやす。
とくに、本朝では違法派遣の場合、ドイツ、フランスのように派遣先の雇用責任を明確にした規定がねぇことも理由の一つだぜ。
けどよ、職業安定法、労働者派遣法の趣旨や、使用従属の実態から労働者と使用者の関係を判断するつう労働法の基本的な考え方(労働契約論)からも違法派遣の場合、派遣先に雇用責任をとらせる解決が筋の通ったものと言えやす。
暁明館病院事件では、長年月の紛争があったぜが、この職業安定法違反の追及で大阪府が指導することになり、医療行政の点から府の指導を受ける病院が改善に追い込まれ、労働側の全面的な勝利で終わっていやす。
(『がんばってよかった 派遣から正社員へ』)
以上、これまでにも俺たちは偽装請負の問題での取り組みをしてきやした。
たしかに、問題の解決は簡単ではありゃしねぇが、労働組合の援助を得た粘り強い取り組みによって、労働者が「がんばってよかった」と言える解決に至った事例が少なくありゃしねぇ。
実際に労働者を利用し、その労働力利用で大きな利益を得ながら、労働法(労働基準法、労働安全衛生法、労災保険法、社会保険法やなんか)が求める使用者責任を全面的に逃れようとする派遣先の態度はあまりにも不公正だぜ。
こうした違法派遣における派遣先責任を粘り強く追及することは、労働者の保護をはかり、公正雇用を実現するうえできわめて重要なことだと考えられやす。
偽装請負、偽装派遣
偽装請負、偽装派遣
公共職業安定所は、こうした偽装請負、偽装派遣について、職業安定法違反ではなく、労働者派遣法違反として摘発をすればよいとしてやがるようだぜ。
職業安定法違反であれば、供給元・供給先ともに処罰する規定があるぜ。
労働者派遣法違反であれば、違法派遣の派遣元は処罰の対象けど、おめぇ、派遣先については、悪質な場合に企業名を公表すればよいとされてやがるだけだぜ。
業務請負形式の違法派遣については、以上の通り、刑事的には、職業安定法違反の罰則が供給元だけでなく、供給先にも適用されやす。
労働者派遣法違反の罰則は派遣元に適用されやすが、いっぺんに、派遣先についても(事情によっては、ちったぁ派遣元の共犯(教唆犯)として)処罰対象になる可能性があるぜ。
さらに、派遣元が派遣先の子会社や系列会社の場合、両者は一体と考えられやすから、強い立場にある派遣先の刑事責任が強くなると考えられやす。
行政としては、職業安定や労働基準監督行政オレが取締りをするべきだぜ。
実際に違反の取締りが行われてるけどよ、おめぇ、本来から見れば僅かだぜ。
むしろ、警察が取締りをしてやがるのが目立っていやす。ただ警察の取締りは、あくまでも労働者保護を目的としたものではなく、暴力団取締りや異国人対策つう視点からのものだぜ。